リーダーとしての基本スキル

学生時代の部活や社会人として過ごす中で「リーダー」と思える人を見てきました。
そういった人物の共通項、必要だと思う項目は以下の通りです。ときにはそれらに反するように見えることをやることもありますが、必ず何らかの目的を持って行っています。マクレガーのX理論・Y理論を入れ替えたりなど状況に応じた対応は言うまでもなく必要なことです。

明確な目標設定

  1. メンバーに測定可能、到達可能な目標を設定する。
  2. 達成に向けてフォローする。

コミュニケーションをとる

  1. 質問にきちんと答える。
  2. 意見に耳を傾ける。意見を尊重する。
  3. 理解をしてから、理解をさせる。
  4. 仕事ぶりに対し、定期的にフィードバックする。
  5. 貢献、努力に対してきちんと感謝、お礼を述べる。
  6. 提案に対し、否定から入らない。
  7. 学習と成長を支援する。
  8. 相談があるときは時間を作る。
  9. メンバー同士がコミュニケーションを定期的に取れる場を作る。

信頼関係構築

  1. メンバーを尊重する。
  2. チームワークの重要性を強調する。
  3. 答えを与えるのみでなく気がつかせる。
  4. ミスを認める。
  5. 約束を果たす。果たせない場合は事前に通知、謝罪。
  6. 叱るときは叱る。

責任感を持たせる

  1. チームの一員として感じられるような役割を与える。場を与える。
  2. 作業の意味と目的を理解させる。
  3. 自主的に責任を果たすように責任感、目的意識を持たせる。


感覚になってしまいますが、これらに加えて「明るさ、ハイテンション」「ピンチ時ほど冷静になれる力」「演じる力」これも大切だと思います。

正直ですか?誠実ですか?

正直ですか?誠実ですか?そうでない場合にすぐに謝罪していますか?人として。

  • 正直・・・現実に言葉を合わせること→事実を正しく伝えること
  • 誠実・・・言葉に現実を合わせること→言ったことには責任を持つこと

やっていないことをやったという・・・正直でない
やるといったことをやらない・・・誠実でない

忍耐力

会社でのレースで「脱落していく人」の順番

  1. 忍耐力のない人
  2. 目標設定の低い人
  3. 変化できない頑固な人

「大学までの受験競争」で求められている忍耐力とは、大きく違います。

企業に入ってから求められる「忍耐力」とは、結果がでないときに結果を出すまで頑張り続ける力のこと。
分かりにくい仕組みの中や結果が出にくい環境に放り込まれたときに改めて頑張りなおすことができるかどうか。

自分自身に対してだけでなく人に対する忍耐力も必要です。例えば、部下がなかなか結果を出せないときに、我慢する忍耐力。これはもちろん部下が結果を出そうと必死である、またはそれが我慢できるレベルであるなどいくつか条件がありますが、相手の成長を願って、なるべく自分自身で結果にたどり着くようにフォローしつつ耐えるようにしています。

今は不景気で、結果が出ないことが多いです。その中でも正気を失わず、コントロールできることに集中し、将来に向けて種を仕込むこと、これを繰り返します・・・

個人目標設定指針

muromi2009-06-12


私のグループ独自に数年前からメンバーに対し、個人目標を設定するための指針、チェック項目を与えています。それを元に自身で立てた個人目標のセルフレビュー時のチェックを必須としています。

資料の目的としては

  • 個人目標設定時の指導側の最低限の負荷軽減(個人目標の最低限度のルールを守ることにより、話にならないレベルをできるだけ事前に排除)
  • 個人目標の位置づけを認識すること
  • 個人目標設定についてのその年の反省点を改善し来期に活かすこと

です。あくまで目的は上記であり、スキル向上や目標達成に直接的に寄与するものではありません。

もちろんこれだけに頼っているわけではないですが、1つの手段として利用しています。
毎年目的は達成できていますし、新人が入った際は楽になりました。

私自身の振り返りのためにも備忘録として記載します。(Wordで配布しており、面倒なので画像貼り付け)








7つの習慣などのいくつかの書籍を参考

委任契約とは

私のグループは委任契約での作業が割合として多い。
メンバーは請負契約についてはある程度認識をしていたようですが、委任についての認識が甘かったのでパートナーのメンバーも含めて教えました。新しいメンバーも増えたので今後のためにも備忘録として、そのときの内容を記載しておきます。

そもそも正式な意味としては

  • 請負契約とは、「仕事の完成」を目的とした契約
  • 委任契約とは、「一定の行為」の遂行を目的とした契約

つまり、「仕事の完成」という「結果」に対する責任を負うのが請負、行為について責任を負うのが委任、となります。

「一定の行為」というところをもう少しメンバーがイメージできるよう、注意が必要(認識が甘い)なケースを含めて説明しました。

「委任」の場合、最重要なのは、実をいうと成果(アウトプット)の品質に対する責任ではありません。(プロとしてよりよい成果を残すミッションはあります)

最重要なのは、定められたQCD(クオリティー、コスト、デリバリー)を達成するための行為です。
具体的な流れでいうと
 1)”プロセス”(計画、行為)に対し発注者の承認を得ること
 2)承認を得た”プロセス”のとおりに実行すること
です。これに対しお金をもらっています。

例外ケースを踏まえていうと上記2)を満たせない場合は、アラームを上げ、相談すること。ここまで踏まえた全体的な”プロセス”に対して対価をもらっています。発注者と合意したプロセスの一部として、あるタスクを実行することになっているのであれば、その通りに実行しなければならない。それが実行できない場合は適切にアラームを上げ、相談する責任がある。これが委任です。

逆を言うと、発注者側と合意を得たプロセスで生み出された成果が定められた品質を満たしていない場合、それは発注者に責任があります。

請負の場合はその逆。発注者にとって、プロセスはどうでもいい。定められた品質を満たす成果があればそれだけでいい。

※法律的なところは他のサイトにいくらでも載っているのでそちらにお任せ。上記はあくまでその場のメンバーのレベルにあった説明。

メンバーを知るための手段

いろいろあると思いますが、2007年2Qから実施しているのが「ヒアリングシート」。(現在も継続中)

向上心のレベルや精神状態は人により違います。そして向上心は人により持続できる期間が違います。集中力の継続も人により差があります。そういったメンバーの状態を常に正しく把握することは大事。そのための1つの手段として実施しているものです。

それなりに効果はあったと思っています。これは会社としての取り組みではなく私の部のみの取り組みです。
3ヶ月に1度(Q単位)に実施し、これを元にメンバーひとりひとりと面談しています。

これからも継続できるよう備忘録としても記載しておきます。また他にもいろいろと独自にチャレンジ、継続している取り組みがあるのでそれは内容と効果は後日記載予定。

結果として、一例ですが、以下のようなことを得ることができました。

  • 意外な一面を発見
  • 直接は言えないことを伝えてくれた
  • やりがいを感じている箇所・喜びを感じる箇所、ストレスを感じている箇所の傾向が見えた
  • 理論派、行動派などの大まかなタイプが分かった
  • 見えない努力を発見
  • 私の思い込みで接していた点を発見

結果から私自身の思い込みの危なさ、相手を知ることの大切さを改めて痛感→ひとりひとりの接し方のヒントを得ることができています→当面継続。

当然ですが、普段からのコミュニケーション、何でも書いてもらうための準備・関係を構築している、その継続が前提。
項目は以下の通り。内容はとっても簡単。こんなんで何が分かるの?と見えるかもしれませんが。回答に対する制約は付けずにメンバーから私だけへの提出を依頼。非公開を約束。

1. 強みについて
  1.1 ここ3ヶ月で、仕事が一番楽しかったのはいつか?
    ・そのとき何をしていたのか?
    ・なぜそれがそんなに楽しかったのか?
2. 弱みについて
  2.1 ここ3ヶ月で、仕事が一番つらかったのはいつか?
    ・そのとき何をしていたのか?
    ・なぜそれがそんなにつらかったのか?
3. 引き金について
  3.1 いままでで一番うまくいった上司との関係は?
    ・なぜうまくいったのか?
  3.2 いままでに褒められたり、認められたりしたなかで一番心に残っているのは?
    ・その内容は?
    ・なぜそれほど心に残ったのか?
4. 独自の学習スタイルについて
  4.1 これまでの仕事で、一番何かを学んでいると思ったのはいつか?
    ・そのとき何をしていたのか?
    ・あなたにとって一番の学習スタイルは?

この取り組みのヒントになったのは http://d.hatena.ne.jp/muromi/20070414/p1

「身についた」ということ

以前、勉強をするさいに「身についた」と言うためには、どういうレベルまで行けばいいのか?という相談を受けました。業務で実践できればすぐに身についたかどうかは分かるのでしょうが、全てにおいて直ぐに実践できる機会を得られるかというと難しい。では、最初のステップとしてどの状態を目指すべきか?を考えてみました(回答済)。

まず、勉強をして、以下の点を満たしていれば「情報を吸収した、理解した」と言えると思います。(一部日経アソシエから引用)

  1. 要約した内容を何もみずにスラスラ言える。
  2. 自分の言葉や表現(例、比喩)できる。
  3. その情報をどのように使うか(利用シーン)をイメージ、説明できる。

そのためにも他の人に説明する機会を自ら作る(他者を通して自分の理解を測る)自主的な動きが必要だと思います。これは情報展開にもなります。ですので、最初に目指すべきレベルは「情報を吸収した、理解した」だと思います。

次に学んだことを実践で成果に結び付けられるかどうか。これはやはり実践時にしか分かりません。ただし、実践とは業務だけでなく、各種提案、勉強会などを含んでいいと思います。ということは自主的にアウトプットを出して業務やその他の機会で利用(実践)すること、そのためにもその機会を勝ち取る動きをとることが大事だと思います。
※実践の場を得るためのヒントはhttp://d.hatena.ne.jp/favre21/20090529に記載されています。

ここで注意点が1つ。

業務で実践して成果を出せれば身についたといえるのか?答えは必ずしもそうではないと思います。例えばプログラムであれば、理解が浅くても他人のものを流用して動くものをつくることはできるでしょうし、インターネットにたいていのことは載っています。NULLを判定するプログラムはかけても、新人にNULLとは?と聞かれて答えられない人がいるように。

危険なのは業務でたまたま成果を出せたからと言って「情報を吸収した、理解した」と錯覚してしまうこと。いつかボロが出るでしょう。

以上の2つのレベル「情報を吸収した、理解した」、「実践できた」この両方をクリアして初めて「身についた」と言えると思います。