千円札は拾うな。

千円札は拾うな。

千円札は拾うな。

「本郷猛」を鍛えてはいけない


本郷猛とは、あの仮面ライダーが変身する前の姿である。本郷猛は、どう必死に鍛えても、仮面ライダーになることはない。鍛えられた本郷猛では、ショッカーの戦闘員には勝てても「怪人」を倒すことはできない。いくら鍛えても。怪人を倒すためには、仮面ライダーに変身すること、つまり、劇的な変化が必要なのだ。


自分のやり方を変えたい、変えなきゃ・・・と思っている人にお勧め。

3年生〜にお勧め。今のところ、周囲の新人はガムシャラに頑張って欲しいから・・・


薄々感じていた自分の駄目なところ ・・・「分かってはいるんだけど、中々捨てられない・・・」と感じていた点 ・・・ を、キッパリと鮮やかに否定してくれた本。
とても刺激になりました。「捨てる」=「変化」の大切さを教えてくれる本です。

例えば、「勤勉は悪、努力は報われない」などサプライズ的な導入ではじまり、全体的にサラッと読めます。が、衝撃は大きい内容です。

経営に関する箇所は、優先順位を下げて、今回は読み飛ばしました。「時間」の捉え方についてはばっちり読んだので、メモを。ちなみに、この題名は、「千円札を拾うと目線が下がり、他のものが見えなくなるから。」・・・つまり目先の利益にとらわれるなという意味です。

勤勉は悪、努力は報われない

日本人は頑張るのが大好きだ。

  • 頑張るというのは、一見しんどいことのように思えるが、それほど苦しいことではない。
  • 人一倍働くとか、毎日残業するといっても、それは日常の仕事、”これまでのやりかた”の延長線上に過ぎない。
  • 仕事のスピードが二倍になれば、こなせる仕事も二倍になる。しかし、このやり方には限界があるし、永久には続かない。
  • 今の時代は、同じ時間で倍の仕事がこなせるようになったとしても、それが倍の売上、倍の収入につながるとは限らない。
  • 信じられない人は、身近な人を観察してみると良い。ものすごく真面目で朝はだれよりも早く来て、夜遅くまで残業している人がすべて成績を伸ばしているだろうか?
  • 高度成長期からバブルのころまでは、ものは作っただけ売れた。頑張れば、頑張っただけの成果が得られた。これが「勤勉←→怠惰」という機軸を生み出し、「勤勉は美徳、努力は必ず報われる」と。そのことが今、「勤勉は悪、努力は報われない」という現実を生み出している。
  • 今の時代、時間で解決できる商品を作っている限り、長い目で見たときには、同業他社には絶対に勝つことはできない。


短くなった就業時間でこれまでと同等の成果を上げるには、慣れ親しんだ仕事のやり方を捨て、全く違うやり方に変えざるをえなくなる。本当のところ、やはり勤勉は美徳だし、結局努力は報われるが、「頑張らないで成果をあげる」やり方を見つける努力をしなければならない。


ようは、問題は、何を「勤勉」と言い、どういうことを「努力」というのかという「言葉の定義」が昔と今では違っている。
今や、人と同じ事を人より長い時間やることを「努力」とは言わない。サボらずに真面目にやることが「勤勉」ではない。今は、人と違う結果を生み出すにはどうすればいいのかについて、新しいやり方を考え、実行することが「勤勉」であり、最も短い時間で成果を出すための工夫をすることが「努力」である。つまり、勤勉の対極にあるのは、今は、「怠惰」ではなく「不変」。
変化し続けること、それが今の時代に求められている「勤勉さ」である。人と同じやり方を捨て、より大きな成果を生む別の方法を考え実行する。そしてさらに、より短時間でその成果を得られるように工夫し続ける。こうした努力を続ければ、努力はちゃんと報われる。


もしあなたが、古い価値観をもったまま勤勉に努力しているなら、まずはその価値観を捨てることから始めなければならない。今までのやり方を捨てる。これも立派な「努力」だ。

残業をやめれば給料は増える。

  • 人間、時間はあるだけ使ってしまう・・・
  • これ以上やり方はないと思っている人でも、必ず解決策はある。方法がないのではなく、働きすぎてそれを考える余裕がなくなっているだけ。
  • 仕事の成果を上げるには、しっかりと休むことも必要。リフレッシュも必要。
  • 今考えている方法では、高すぎる目標に向かっているときなど、頑張ってもどうにもならないと分かると、人はガムシャラに頑張るのをやめ「頭を使う」ようになる。
  • 休みなく働いていると、目の前の仕事をこなすのに精一杯で、「別のやり方」を考える余裕が持てなくなる。もちろんずっと仕事をしていれば作業は早くなるが、多少手早くなったところでたかが知れている。とてもではないが根本的な解決策には至らない。
  • 仕事時間を大幅に削減しながら、成果を維持するには、何かを「劇的に変える」ことが必要となる。


「仕事のやり方を劇的に変える方法」を見つけることが、「成長」である。それを考えるためにも、休まなければならない・・・これまで7日かけてやっていた仕事を4日でやるためにはどうしたらいいのか。「走る前に一歩立ち止まって戦略を考える」。頭を使って、初めて「足」が活きてくる。


仕事というのは、野球で言えば試合に出ているようなもの。練習をせずに、試合にただで続けても、野球がうまくなることはない。走り込みをしたり、バッティング練習をしたりしなければ、試合で勝つことはできない。
一見、人間は仕事をしながらスキルアップしているように思うが、ただ単に日々仕事をこなしているだけでは、スキルアップにはなっていない。自分のスキルを上げるためには、仕事のスキルを上げる「練習」をしなければならない。その「練習」こそが、深く考えるとか、成果を劇的に上げるやり方を考える、ということ。

自分を捨てること。

  • 「変化値」とは、過去の自分から今の自分へと、どのくらい変わったかという「変化の振れ幅」
  • 「変化の振れ幅が大きい人」おてゃ、それだけ、自分を変化させることができた人。過去のやり方、考え方を捨てられた人であるから、そんな人は仕事ができるといえる。
  • 自分がこれからどれだけ伸びることができるのかというとき、それをあらわすには、今の自分は理想の自分と比べてどれくらい劣っているのか、ということを認識するしかない。
  • 自分の能力を信じているなら、「オレはこの程度ではない」と思っているはず。矛盾しているようだが、自分はまだまだ成長できるという「プラス思考」は、実際には自己否定の強さによって表れてくるもの。

いちばん捨てるのが難しいもの・・・「自分」である。

  • 成長とは「自分を捨てる勇気」といってもいい。
  • 成長というのは目的地に向かって階段を上っていくようなもの。どの階段を上っていくのが正解なのはわからない。一生懸命上っても、途中で「この選択は間違いだった」ということは生じてしまう。成長するには、別の階段を探して、またゼロから上らなければならない。


成長できる人は、間違った階段を上らなかったひとではない。間違えたと気づいた瞬間に、躊躇せずに今いる階段から飛び下りることができた人。

スキルアップと成長は違う。スキルは身につけていくものだが、成長とは変化すること。過去の自分を捨てることによって、人は初めて新しい自分を得ることができる。

  • ビジネスは、頑張って努力して百メートルを9・5秒で走るより、全く別の方法で百メートルを5秒で移動したものが勝つ世界。
  • 考える前に「不可能だ」と決めてしまっては何も思いつかない。「常識」からはずれたものはすべて「非常識」だと思いがちだがそうではない。どちらにも属さない「常識外」という未知数の可能性があふれている。

「似合うスーツ」は選んではいけない。

  • 今の自分に合う服を着るのではなく、オシャレな服のほうに自分を合わせていくことが大事。

捨てる覚悟

  • 自分で決断しない限り、本当に捨てることはできない。捨てる「覚悟」がなければ、人は手放せない。
  • 例外を作らず、すべて捨てる「覚悟」を持つように。


何も考えずになんでもかんでも捨てろということではない。一度自分の中に受け入れ、きちんと積み重ねてきたものだからこそ、それを捨てて新たな階段を上っていくことが成長につながる。
「決断」「捨てる覚悟」が大切。


「決断」・・・何も保障がないところで、自分を信じ、正解のないところで下す判断のこと。



以上。